【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「十字路で律と一緒にいたよね」
おお……。
さっきは声をかけてこないどころか、一度も目を向けることもなかったから、私はなになに!?と構えてしまった。
こくこくと頷けば、
「律と付き合うの大変でしょう?」
薄く笑って問いかけてきた東雲さんに、私は一瞬ギョッとした。
「ふふっ。その顔は図星ってこと?」
「……な、なんでわかるんですか!? もう毎日心臓への負担が激しくて激しくて、ドキドキしない日がないんです!」
「そ、そう……」
ダメだこれは……と呟いた東雲さんは、じっと私を見据えた。
「律って昔からあんな感じなの。無気力で、やる気がない。でも悪気はないしいい奴だから、大変たと思うけど頑張って」
えっ、幼なじみである東雲さんが私の恋を応援してくれている!?