【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


嬉しい……。

幼なじみは厄介な存在だなんて、漫画の中ではよくあることだけれど、東雲さんはいい人だった!


「あ、でも──」


笑顔で東雲さんの背中にお礼を言おうとしたら、くるんっと振り返った。



「全然釣り合ってないよ」


ニコリ、と微笑みを見せた東雲さんは非常に残酷な言葉を吐いて、るんるんと帰って行った。


釣り合ってないよ。

釣り合ってないよ。

釣り合って……


──グシャッ


私の手からスーパーの袋が落ちた瞬間だった。


「なんだいこれは!? 割れてるじゃないの!」


卵は割れてしまっていて、お母さんから雷が落とされたのは言うまでもない……。
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