【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「──ってことがありまして、私は今生きてる心地がしないの……」
全ての事情を打ち明けると、二人は顔を引き攣らせていた。
「そ、そっかそっか……事情はわかったわ。卵が割れたことにも気づかないくらいショックだったのね……!」
「取り消せよな、その発言! だいたい東雲は羽川の浮気相手か!?」
──ドカッ!!
玲来ちゃんの国語の教科書が矢坂くんのおでこに直撃した。
「うぅ……何もかも忘れたい……っ、誰か記憶を消して……」
ずーんっとへこたれていたら、ドシンドシンと地響きが迫ってきた。
え……?
反射的に顔を上げれば、
「西宮。今の言葉は本当か?」
や、や、山神様……!?