【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
役作りって、なになに!?
すっ、と山神様が私へ何かを差し出した。
へ……?
“君が好きだから、サヨナラ”
受け取った台本に書かれたタイトル。
「こ、これは……?」
「俺が考えたタイトルだ」
そんなことは聞いていない……。
「ヒロインは西宮、お前に決まりだ」
「へ……?」
「絶対に成功させようじゃないか、西宮」
私が主役……!?
ちょ、待ってよ!と声をあげたかった。
けど、みんなが「頼むぞ!」と声援を送ってくる。
断れない圧に、私は山神様が差し伸べた手を握ってようやく腰を上げたのだった。
私は真剣にへこんでいただけなのに、なんでこうなるの!?