【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
ゲッ……!!
そこにはバキバキ監視してますって顔をした会長様が、じーっと律くんを見下ろしていた。
「当然だ。羽川は通行人の役として登場するが、セリフは一言のみ。そのため補欠候補として参加するように命じたんだ」
腕組みをする会長様に、律くんは不服そうに溜め息をついた。
「しかし、羽川の練習は次の時間からじゃないか? ついに心を入れ替えたか?」
「……あ、そうだね律くん。今の時間は教室でセリフ覚えたりするのもオッケーだって聞いたよ?」
なのに、あの律くんがわざわざ体育館にまで来るなんて、意外かも……。
「なんだ、羽川」
今度はツーンとした表情の律くんが会長様を見やった。
「別に? ただ、逆に自分が監視対象に入ってるとは思わないんだな」
え……?