【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


蒼ちゃん先生の腕を解放した私は首を傾げた。


「だーかーらー、西宮は意地悪言われたの。はぁー、三角関係か、羨ましくて泣けるよあたしは……」


遠い目で窓の外をぼんやり眺める蒼ちゃん先生……。


「つまり、東雲さんが、わざと言ったってことですか!?」


「決めつけるわけじゃないけど、羽川のお目当てがあたしだ……なんて。そんなこと言うのは意地悪だと思うけどなぁ」


あたしが学生だったら鼻の穴に指突っ込んでやるわ、と。


「……私、それでずっと不安になってしまって」


東雲さんは律くんの幼なじみで。

だけど、きっと東雲さんの気持ちは、幼なじみ以上なのかもしれない。
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