【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


「じゃなきゃ芽衣にあんな嫌なこと言わないわよ」


「だな? 俺も蒼子の意見に賛成だし。そのうち靴の裏にガムくっつけられるかもしんねーぞ!?」


「……冬夜の発想は子供か」


「困ったら俺と玲来に言えよ?」


「ありがとう……」


二人にお礼を言って、会長様との練習に戻ることにした。


主役という大役なだけあって練習量は他のみんなよりも多い。

あと三日しかないから、気を引き締めていかなきゃ。


* * *


「違う。そのセリフは一つ前でしょ」


「あっ……そうだった!」


じろっと律くんの痛い視線がささる。

う……っ。

今私は、ステージの袖で律くんにセリフの確認をしてもらっているところ。
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