【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「そういうば、律くんは台本に目を通しているみたいだけど、セリフもう覚えたの?」
「ぜんぜん覚えてない。俺補欠だからね」
「えぇっ……!? 補欠だから覚えなきゃじゃ……」
「必要ないだろ。会長がこの期に及んで役を降りるわけない」
確かに……。
誰よりも楽しみにしているし、誰よりも張り切っているのが送られるはずの三年生である会長様だもんね。
「ね、ねぇ律くん……」
「今度はなに? 山神様の実話だったらどうしようとか言うつもり?」
「あ! それは心の中で思ったの……って、律くんどうしてわかったの!? 」
「……本当だったのかよ」
以心伝心……とはさすがにげんなりされる恐れるがあったから言わなかった。