【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
もう限界
──三送会当日。
廊下や下駄箱、体育館の入口には色とりどりの飾りつけがされていて、三年生を送る準備は万全だった。
私達二年生は、一年生の演奏が終わったあとにクラス順に劇の発表を行うことになっている。
「西宮さん!? 顔が青白いけど、役作りにしてはすごい気合いね……」
「……」
これは役作りじゃなくて今の私の気持ち全てを表しています……なんて。
そんなこと、気合い十分な演劇部の女子に言えるはずもない。
律くんに嫌いだなんて言われてから、ご飯も喉を通らない。
そんな私を見たお母さんは「スタイルってのは遺伝もあるのよぉ!!」と、全く慰めにもならない言葉をかけて背中をさすってくれた。