【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「な、なにごと……?」
「ほら、律くんが言ったセリフよ!」
玲来ちゃんがコソッと耳打ちしてくる。
「俺が考えたセリフじゃ昭和くさいか……そうか……」
どうやら山神様は律くんがアレンジしたと思ってへこんでいるらしい。
「気にすんな山ちゃん! ちょっと昭和くさいだけじゃねぇか、なっ?」
「……」
「冬夜、昭和って単語は禁句だったらぁ!」
やっぱり、矢坂くんは怖いもの知らずだ。
山神様を山ちゃんと呼べるのは矢坂くんだけだもん……。
山神様を慰めながら、次のクラスにこの場所を譲るため、私達は教室へと戻ることになった。
……が、その時。