【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


人は誰しも喜怒哀楽を持ち合わせている。


だけど、いつも感情を表に出すことがあまりない律くんが怒ったところを私は見たことはない……。


「わたしに“芽依のこと傷つけたら二度くちきかない”って。あんな律、初めて見た……」


「……激レア」


「はっ?」


「ううん……なんでもない!」


「なんなのあんた!? ホントにムカつく!」


ちょっと待ってよ……。

私、東雲さんにここまで言われなきゃいけないようなことした!?


ギュッと握った手が怒りで震える。


「継母めっ……」


「なに? なんか言った?」


「……言ったよ! ま……継母って! 可愛い顔してるのに意地悪だもん! シンデレラより継母の方がピッタリだよ!」


私はついに言ってやった……!
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