【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


反撃が怖くて、変にドキドキしたから息切れしそうだ。

東雲さんは「……律って、子供っぽい女子が趣味だったの?」と、なかなか失礼なことを言っている。


「はぁっ……なんか、もういいわ」


「え!?」


「あんたにはもう声かけないから」


継母に勝った……!?

東雲さんは私をじっと見据えたあと、ふっと眉を下げた。


「てか、律に声かけられなかったのはわたしなんだけどね」


「それは、律くんが昼寝してるから……?」


前にバッタリ十字路で出くわした時に言っていたから。


「違うわよ。いつも律が……あんたのことを優しい顔で見てるから」


東雲さんは声を沈ませたまま続けた。
< 351 / 391 >

この作品をシェア

pagetop