【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
反撃が怖くて、変にドキドキしたから息切れしそうだ。
東雲さんは「……律って、子供っぽい女子が趣味だったの?」と、なかなか失礼なことを言っている。
「はぁっ……なんか、もういいわ」
「え!?」
「あんたにはもう声かけないから」
継母に勝った……!?
東雲さんは私をじっと見据えたあと、ふっと眉を下げた。
「てか、律に声かけられなかったのはわたしなんだけどね」
「それは、律くんが昼寝してるから……?」
前にバッタリ十字路で出くわした時に言っていたから。
「違うわよ。いつも律が……あんたのことを優しい顔で見てるから」
東雲さんは声を沈ませたまま続けた。