【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
初めて律くんと出会ったあの日、私の手を繋いで走った律くんのことが蘇った……。
結局、私はいつだって律くんでいっぱいなんだ……。
雨の日も、ただ並んで歩く帰り道も、大嫌いな補習も。
全部全部、律くんが隣にいてくれたから幸せで……。
これで終わりだなんて、嫌だ……。
もっと好きって言いたい。
律くんの声が聞きたい。
顔を見て「好き」だって伝えたい。
たとえ律くんが言ってくれなくても、もう一度だけ──
「やっと捕まえた……」
「……っ!?」
突然、後ろからグイッと腕を掴まれて、私の身体は傾いた。