【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「なんてね?」
「へっ!?」
なんてねって、まさかからかったの!?
「今そんなこと言ったら、芽衣のお父さんにぶっ飛ばされそう」
そうなったら私がお父さんと口きかないって言おうとしたら、
「だから今は──」
言いかけて、律くんは私の顔をそっと両手で包み込んだ。
「好き」
「……っ、」
「こっちかな」
時が止まる……。
ずっと前から聞きたいと願い続けたその言葉を、律くんの口から聞けたから。
瞬きも忘れて律くんを見つめていたら、
「可愛い顔でこっち見ないで?」
……と。