【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
いつもの律くんらしいセリフを落とすと、私に甘いキスをした。
「足りない」
すぐに離されたと思ったら、何度も角度を変えてキスをする。
律くんの熱っぽい瞳に見つめられて、溶けてしまいそうで……。
こんなに幸せな気持ちになるなんて、私は今初めて知った。
好きな人から言われた「好き」。
人は嬉しすぎると、自分でも想像のつかない行動を取るらしく、
「律くん……っ! あの、もう一回!」
キスのあと、律くんと歩いて帰る途中、スマホのボイスレコーダーをONにしたい衝動に駆られた。
「は?」
「だって、もう数年聞けないかもしれないし、そんなことになったら私は困……」
「困んの? 芽衣が?」
うんうん!と首を縦に振ってみせる。