【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
一度でいいから聞きたい


「好きな人の心が読める薬がほしい……」


ボソリと呟けば、周囲にいたクラスメイトが気味悪がって離れていった。

今はみんなが喜ぶ自習の時間。

昨日の雨が嘘みたいに今日は晴れている。


一月の半ばに近づいて、寒さはより増しているけれど、私の心は暖かい……はずだった。

そう、昨日までは。


「ねっ、西宮さんのとこだけ葬式会場みたいじゃない?」


「やばいやばい……負のオーラまとってる。呪いでもかけれそうなレベルでしょ」


「呪いの威力もカンストもんだろ、あれ……」


クラスのみんなの声さえあまり耳に入ってこないほどの落ち込みようなのかもしれない。


それはまるで昨日の雨のよう。
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