【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


恋をすると浮き沈みが激しくなるとは聞いていたけれど、まさか本当だったなんて知らなかった。


そもそも私が律くんと出会った時、恋に落ちるなんて思いもしなかったんだ。



──あれは二年前、中学三年の冬。


「ゴラァァァァァ!! 何してんだいあんたは!」


それは高校入試当日で、お母さんのバカでかボイスで叩き起された私は青ざめた。


「……な、なんでぇ!? 目覚ましかけたのに!」


完全に寝坊したのだ。

大急ぎでベットから飛び出したものの、入試の時間に間に合う最後のバスが発車するまであと15分……。


「走れ走れーーー!!」


勇ましいお母さんの声とともに、家を転がるように飛び出した。
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