【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


「たぶん走れば間に合うけど。どーする?」


「……っ、私、走ります!!」


私も一緒に走って、この人とバスに乗れたら間に合うかもしれない!

それならば、全力で走る以外の選択肢などない。

うん、と穏やかに頷いてくれた彼に、胸がトクンと音を奏でる。


「じゃ、頑張って」


「……えぇっ!? 頑張ってって……あなたは走らないんですか!?」


「走るの久しぶりだから息切れする」


「……あの、入試なんですよね?」


間に合わなかったら終わるって言ってたのに!?

だいたい、人には走れば間に合うって言ってくれるのに自分はもう諦めちゃうの!?
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