【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「うぅ……別に律くんのせいってわけじゃないよ! 私の問題なの!」
「それはそうでしょ。俺は0点取らないよ」
「……は、はい」
律くんはいつもと変わらず塩対応。
すぐにでも水が必要なくらいの塩を振りまいてくる。
律くんにとっては平常運転。
だからこそ私の悩みは尽きないわけで……。
「眠い」
そして必要最低限なこと以外エネルギーを使いたくない律くんは、常に無気力である……。
それはそれは『無気力王子』と囁かれるほど。
体育の授業でもそう。
「頼むよ羽川〜! 全力で走ってくれぇぇぇ!」と怖いと評判の鬼教師から懇願される始末……。
当然、律くんは頷いて走り直したけど、何一つ変化はない……。
『羽川、もういいぞ……』と鬼教師が身を引く光景だった。