【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
学年の中でも抜群のルックスの持ち主である律くんは、いつも女子の注目の的だった。
「高嶺の花」
「顔がよすぎて近寄りがたい」
「無気力王子は目の保養よね」
毎日のように律くんを見かけた女子がはしゃいでいたけれど、律くん本人は何ひとつ反応しなかった。
興味なんてない。
そんな態度だったと思う。
そして一年の球技大会が終わった帰り道。
ドッジボールで逃げ回った挙句、派手にダイブした私は膝を擦りむいた。
赤く腫れて、痛みを負う足を少し引きずって歩いていると、
「転んだの?」
「えぇ……っ!?」
ふと声をかけてきたのが律くんで、私はかちこちに固まった。