【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


律くんはきっと、女子がそう騒いでることを知っていたんだと思った。

毎日あれだけ騒がれていれば、聞こえていない、興味ないふりをしていたって、嫌でも耳に入ったんだろう。


律くんはそれを、どんな気持ちで聞いていたんだろう。


「わっ、私は好きだよ!! 律くんは目の保養なんて、そんな言葉じゃ済まないよ!?」


「……」


「……っ!!」


無意識だった。

つい口を突いて出た言葉に、言ってしまってからハッと我に返り赤面する。


律くんは目を見張っていて、驚いているみたいだった。

今すぐにでもこの場から走り出してしまいたかったけど、怪我をした足じゃ到底無理な話で……。


「──じゃあ付き合う?」


え?

沈黙を破ったのは律くんの方で。

表情を和らげた律くんが、微動だに出来ない私に視線を注いでいる。


付き合うって、そういう意味の……?


「えっ、いいの!?」


「素直な反応だね」
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