【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
疲れるほど可愛い
* * *
「──っていう素敵な思い出話があるっていうのに、なんで芽衣は隅っこに合成された卒アルの人みたいになってるのよ?」
「うぅ……だって律くんが、朝から塩対応すぎて泣いた……」
プリントをヒラヒラさせて私の席にやってきた玲来ちゃんは「またか……」と苦笑い。
「いい報告期待したのに、どうしたっていうのよ? 冬夜も言ってたわよ?」
「矢坂くんが、なんて……?」
「二人に偶然会ったって」
「……ああ、うん」
偶然ではあるけど、尾行が継続されてますよとは言えない……。
「で、“西宮達は俺らとは違う世界の住人だったわ……”なんて言ってきてさ? 意味わかんないんだけど」
違う世界の住人といえばそうかも……。
矢坂くんの家柄を考えるとなおさら……。