【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「あんなのただの嫌がらせでしょ。やめてくんない?」
「……っ、い、い……っ!!」
絶句とはまさにこのことではないだろうか。
嫌 が ら せ ……。
グサッと胸を貫いた律くんの言葉に蘇生措置をお願いしたいくらい私の生気は抜けていく。
ガタッ!!と、下駄箱にもたれかかる。
そうでもしないと立っていることさえ困難な状況で。
それなのに律くんは、時間でも確認したいのかポッケから取り出したスマホの画面を見て、
「やっぱ嫌がらせだよな」
……と、独り言のように呟いたあとすっと歩き出した。
無論、気の遠くなった私を置いて……。