【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


「顔に出てる。なんかあったって」


「か、顔!?」


私の異変に気づいたらしい律くんの指先が、すっと私へと伸びてきた。


「……だっ、」


ダメダメ……っ。

変な声を出しながら律くんの指から逃げる。


「なに避けてんの?」


「気にしないで律くん……これは、律くんのためであって……っ」


朝の出来事があったから、私は自分の顔を思い切り背けた。

顔面は厳禁……。

暫し沈黙が流れたけど、それを破ったのは律くんだった。


「呆れる」


放たれた声に、胸がキュッと疼いた。


「ひどい……」


自然と零れ落ちた情けない声。

そりゃ私が自分の顔面偏差値も把握してないのに顔の写真なんか送ってしまったからで……。
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