翠玉の監察医 ナイトメア
頭を下げ続ける三人を見て、蘭はジッと碧子を見つめる。三人に解剖の結果を教えるかなどは碧子が決めることだ。碧子の顔は固い。
「私たちは監察医という仕事に就いています。亡くなった方の死因を見つけられるのは私たちしかいません。なので、感情的になってしまうとその死因が見えなくなってしまうのです。……そのことはおわかりですよね?」
三人は「はい」と同時に返事をする。すると固かった碧子の表情が一瞬にして柔らかいものに変わった。
「次からは気を付けてください。では、解剖の結果をお伝えします」
碧子が圭介たちを信じるのなら、蘭もそれに従う。蘭は圭介たちにトメの死因が心不全であったことを話した。
「心不全……じゃあ病死ということですか?」
マルティンが訊ねると、桜木刑事が「それが不自然なんだよなぁ」とメモ帳を見ながら話す。
「トメさんが入院していた病院では、ここ数週間の間に多くの老人が亡くなっているんだ。全員が心不全と死亡診断書には書かれている。でも、トメさんのご遺族が不自然だと通報してきたんだ」
「私たちは監察医という仕事に就いています。亡くなった方の死因を見つけられるのは私たちしかいません。なので、感情的になってしまうとその死因が見えなくなってしまうのです。……そのことはおわかりですよね?」
三人は「はい」と同時に返事をする。すると固かった碧子の表情が一瞬にして柔らかいものに変わった。
「次からは気を付けてください。では、解剖の結果をお伝えします」
碧子が圭介たちを信じるのなら、蘭もそれに従う。蘭は圭介たちにトメの死因が心不全であったことを話した。
「心不全……じゃあ病死ということですか?」
マルティンが訊ねると、桜木刑事が「それが不自然なんだよなぁ」とメモ帳を見ながら話す。
「トメさんが入院していた病院では、ここ数週間の間に多くの老人が亡くなっているんだ。全員が心不全と死亡診断書には書かれている。でも、トメさんのご遺族が不自然だと通報してきたんだ」