翠玉の監察医 ナイトメア

「神楽さん？どうされたんですか？」

談笑をやめて圭介が訊ねる。しかし、蘭はそれに応えることなくドアを開けた。ドアの向こうには誰もおらず、薄暗い廊下が広がっている。

「人がいたような気がするのですが……」

「気のせいじゃないんですか？それとも幽霊とか！」

圭介が笑いながら言い、「幽霊！？だったら私、とっても怖い話知ってるわよ」とゼルダが怪談話を話し始め、部屋の中は盛り上がっていく。

そんな中、蘭はドアをジッと見つめていた。