翠玉の監察医　ナイトメア
「あなただったんですね、アーサー」

蘭は顔を上げ、論のそばにいるアーサーを見つめる。ゼルダとマルティン、そして圭介は訳がわからないと言いたげな顔をし、アーサーも同じような目をした。

「何言ってるんだよ、蘭」

アーサーが笑い、ゼルダたちも「蘭、どうしたの？」と心配げに見つめる。しかし、蘭は表情を変えることはなかった。

「アメリカにいた頃、あなたは法医学研究所を銃撃しました。そして私の右胸を撃ちました。それは手元が狂ったわけではなく、あなたの心臓は右胸にあるため、私の心臓も右にあると無意識に思っていたのではないですか？」

蘭がそう言うとアーサーは俯く。そしてマルティンが「そういえば、アメリカの法医学研究所の銃撃事件の記事を見たことがあるぞ」と言った。ゼルダも「そういえば、蘭はそこで働いていたのよね」と言う。

「ククッ……。アッハハハハハハ！！」

アーサーは顔を上げた刹那、狂ったように笑い出す。そして白衣の内側から銃を取り出して発砲した。
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