あなたの願い、残酷に叶えます。
《紗弓:麻子、みんな退室しちゃったの?》


《麻子:え? みんな普通に授業を受けてるよ? 退室したのはそっちだよね?》


麻子からのメッセージに眉を寄せて画面を確認する。


画面上に残っているのは間違いなくあたしたち6人の方だ。


《紗弓:なんかよくわからないけど、調子が悪いんだと思う》


《麻子:そうなんだ。先生には説明しとくし、大丈夫だよ》


《紗弓:ごめんね、ありがとう》


スマホをタブレットの脇に置いて画面に向き直る。


「みんな普通に授業受けてるって」


「そんなワケないだろ……?」


眉を寄せて返事をしたのは航大だ。


「とにかくさ、あたしたちも一旦回線切って、もう一度入室し直そうよ」


それは景子からの提案だった。


真美が頷いている。


「そうだね。それがいいかも」


オンライン授業だとこういう不具合もあるからやりにくいんだ。


あたしは大げさな溜息を吐きだして、一度回線を落としたのだった。
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