あなたの願い、残酷に叶えます。

いつか、誰かに聞いた噂を思い出す。


そんなのただの都市伝説だ。


子供騙しの嘘っぱちだ。


そう思っていた。


それが本当だったなんて。


誰かがあたしを残酷に殺すように願っただなんて。


考えたこともなかった。


あたしはその場に横倒しに倒れ込んだ。


女は自分の任務は終えたというようにフッとその場から消えた。


あたしの意識は遠ざかる。


あたしはきっと消えてなくなる。


それが怖くて泣きそうなのに、もう涙もでなかった。


誰かの儀式は成功した。


イケニエを奉げればすべてが終わる予定だった。


でも……。


お父さんは出張で家にいない。


オンライン授業で学校にもいかない。


あたしの死体はいつまでも、いつまでも、誰にも発見されることなく、そこにある……。