あなたの願い、残酷に叶えます。
☆☆☆

3年生になって俺たち3人は同じクラスになった。


景子と俺はライバルらしく、紗弓をはさんで3人で行動することが多くなった。


「紗弓は進学か。俺も勉強しなきゃなぁ」


景子が教えてくれた情報によると、紗弓は○○大学に推薦してもらうそうだ。


俺はそれほど成績がいいわけでもないし、生活態度もそこそこだ。


でも、今から頑張ればまだ間に合う。


なんせ受験まではまだまだ時間があるのだから。


そうして目標を決めて勉強を始めたころだった。


また景子に呼び出された。


場所はあの時と同じ体育館裏だ。


行くと景子は深刻な表情で地面を睨みつけていた。


一瞬で紗弓になにか起こったのだと理解した。


景子は自分のトラブルの時にはこれほど深刻な顔はしない。


「紗弓の推薦枠を里奈が奪った」


景子は顔を上げず、低い声で言った。


「え?」


「あいつ、きっとまた体を使ったんだ」


景子が親指の爪をガリッと噛んだ。


形のいい爪が割れても気にしている様子はない。
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