あなたの願い、残酷に叶えます。
そして、紗弓の家に行く当日。


俺は朝から分厚い本を読んでいた。


2日前に購入した都市伝説などが乗っている辞典だった。


里奈に罰を与える方法は色々ある。


物理的に攻撃をしてもいいし、呪いなどに頼ってもいい。


どんなものでも、とにかく紗弓の心が晴れれば問題がないのだ。


有名な丑の刻参りだって、結局はやっている本人の自己満足だ。


相手を呪ったと思い込んでスッキリして日常に戻る。


それで前向きになることができるだけだ。


それなら、物理的に攻撃をしてこっちが罪に問われるのはバカらしい。


紗弓に前を向いてもらうためには、精神的な面を支えてやればいいのだから。


だからこの本を買った。


昔から言い伝えられている呪いや黒魔術。


相手を殺してしまうほど効果的なものを探してはメモを取っていく。


その中に、残酷様の儀式を見つけた。


これもとても有名な儀式だった。


残酷様を呼び出すと、呼び出した相手の願いを叶えてくれる。


それはとても残酷に叶えてくれる。


だから誰かを苦しめたいとき、殺したいときのための悪魔のような存在だった。
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