あなたの願い、残酷に叶えます。
自分に向かって叫んで、また走り出す。


どこまで行っても誰もいない。


太陽はいつまでも高い位置にあって、沈まない。


あり得ない街の中を走って走って、気がつけば学校にたどり着いていた。


灰色の校舎があたしを見下ろし、笑っているように見えた。


大きく開いた校門があたしに入れと促しているように見えた。


他の建物に入ることはできなかった。


でも、ここなら……。


そう思い、あたしは校舎内へと足を踏み入れた……。
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