あなたの願い、残酷に叶えます。
大きく深呼吸をするとようやく呼吸が整ってきた。


でも、これからどうしよう?


どのタイミングで教室から逃げればいい?


外へ逃げて、その後は?


この空間を残酷様が作っているのだとしたら、あたしは本当に逃げることができるの?


わからないことだらけだ。


あたしは頭を左右に振りヨロヨロと立ち上がる。


せめてなにか、攻撃できるものを手にしよう。


景子が残酷様を殴りつけていたことを思い出して、あたしは自分の机へと向かった。


カッターナイフでもなんでもいい。


残酷様が少しでもひるむようなものがあれば。


そんな思いで机の前に立った時だった。
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