あなたの願い、残酷に叶えます。
パサッと微かな音がして、机の上に紙が置かれていた。


さっきまで何もなかったはずなのに。


真っ白なその紙にあたしは首をかしげる。


「なにこれ……?」


呟いて手を伸ばす。


そして紙を裏返した瞬間……息を止めていた。


それはあたしたちが儀式で使った時の紙だったのだ。


スゥと血の気が引いていくのを感じる


「なんで、これ……」


紙は儀式が終わった後に6人で燃やしたはずだ。


だって、そうしなきゃいけないと知っていたから。


だからここにあるはずがない。


これもきっと残酷様が仕組んだことなんだ。


あたしはブンブンと強く左右に首を振り、机の中を確認した。


惑わされちゃいけない。


これじゃ残酷様の思うつぼだ。


そんなことにはさせない。

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