あなたの願い、残酷に叶えます。
「なんだこれ、どうなってる?」


徐々に焦りを感じ始めていた。


画面に見えている6人はドアを開けようとしたり、窓を割ろうとしている。


しかし、そのどれもに失敗しているのだ。


「おいどうしたんだよみんな」


声をかけてみても、なぜだか俺の声は届いていない。


なんだ?


どうなってる?


俺は立ち上がり、部屋のドアに手をかけた。


6人と同じでそれは全く開く気配がなかった。


「お袋! いるんだろ!?」


すぐ隣の部屋にいるはずの母親に声をかける。


いつもなら少しの物音だって聞こえてくるはずなのに、今日は静まり変えている。


「お袋!?」


返事はない。


どこかへ出かける音がしても俺が気がついているはずなのに、おかしい。


俺は窓へと近づき、開けようと試みる。


しかしこちらもやはり動かなかった。
< 175 / 244 >

この作品をシェア

pagetop