あなたの願い、残酷に叶えます。
そう思った時だった。


ワンピースの女が充男の真後ろに立った。


画面を見ている緊張から呼吸が止まるのを感じた。


次の瞬間だった。


途端に充男が動いたのだ。


ようやく回線が繋がり、正常に戻った。


しかし女の姿は消えない。


白い女は充男の真後ろに立っている。


「逃げて!!」


真美の悲痛な叫びに充男は驚いて目を丸くする。


なにがあったのだと振り向いたその先には……あの女がいた。


「うわぁ!!」


充男が悲鳴を上げて椅子から落下し、タブレットも一緒に落ちた。


充男が四つん這いで逃げようとする姿が写る。


しかしその目の前には女が立ちはだかっている。


女の手は充男へ向けて伸ばされていた。


「いっ!」


充男が悲鳴にならない声を上げ、咄嗟に方向転換しようとする。


充男の顔が画面上でアップになった。


その時だった。
< 31 / 244 >

この作品をシェア

pagetop