あなたの願い、残酷に叶えます。
白くて異様に細い手が後ろから充男の首を掴んだのだ。


「充男!」


真美が大きく息を飲む。


「ぐっ……ぎっ……」


充男の顔が見る見る歪んでいく。


細い手を振りほどくために必死でもがいているが、手の力は少しも緩んでいない。


むしろさっきより更に強く食い込んでいるように見える。


充男と女では体格も全く違うのに、充男はなぜか歯が立たない状態だ。


「やめろよ! やめろぉ!!」


真美が泣きながら叫ぶ。


その声が聞こえたのかどうか、女の手の力が一瞬緩んだようだ。


充男が大きく息を吸い込む音が聞こえてきた。


「充男、大丈夫!?」


あたしの質問に返事をする暇も与えられなかった。
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