あなたの願い、残酷に叶えます。
クラス内には欝々とした重たい空気が流れるようになった。


自分たちもいつ感染するかわからない。


遊びに行けない。


見えないストレスが蓄積されていく。


そんな中、あたしは恰好の餌食になった。


「ぎゃはははは! クッサー!」


紗弓があたしの頭上でゴミ箱を逆さまにして叫ぶ。


「やば! 紗弓ひどー!」


そう言いながらも笑っているのは景子だ。


2人は手を叩き、体をくの字に曲げて笑い転げる。


この2人からのイジメが始まったのは3年に上がってすぐのころからだった。


前年度から続くストレスを解消するために、ここぞとばかりにあたしを傷みつける。


あたしはなにも言えずにただうつむいていた。


だって、この学校に入学してから友人なんていないから。


助けを求めることなんて、誰にもできないから。


だから、ただただ、我慢する……。
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