あなたの願い、残酷に叶えます。
それはもう大人になっている猫で、毛には血がついている。


あたしはすぐに机の中から猫を引っ張りだした。


瞬間……。


吐き気がこみ上げた。


白い猫はお腹が膨らんでいたのだ。


子供を身ごもっているとすぐに理解した。


これをした人間は、子供のいるこの猫を殺して、机の中に入れたんだ……!


愕然として膝をつき、立てなくなってしまった。


どうしてこんな残酷なことができるんだろう。


あたしをイジメるため?


だとしても、ここまでしなくても……。


そう思った時、紗弓と景子の2人が登校してきた。


2人が現れたことで、教室内に喧噪が始まる。


「見てよ紗弓。真美ったら気持ち悪いんだよ」


「あの猫、殺して自分の机に突っ込んだんだよ」


そんな声が聞こえてきてあたしは目を見開いた。
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