あなたの願い、残酷に叶えます。
その様子に怒りはスッと消えていき、代わりに焦りが湧いてきた。


「なんだよ、どうしたんだよ」


戸惑いながら聞くと、紗弓が俺を指差した。


そして口を開き、何かを言う。


「~~~~っ!」


その表情はすごく焦っている。


でもなにも聞こえてこない。


「なんだよ? 聞こえない」


他の2人も俺に向けて何か伝えようとしているが、全く聞こえてこなかった。


なんだ?


また回線のせいか?


首を傾げたとき、景子が俺を指差した。


いや違う。


恐らくこれは俺の後方を指さしているのだ。


そう理解した瞬間血の気が引いて行くのがわかった。


懸命に何かを訴えてくる3人に、俺はゆっくりと後ろを向いた。
< 85 / 244 >

この作品をシェア

pagetop