あなたの願い、残酷に叶えます。
「里奈ってさ、成績も優遇されてるって聞いたことあるよ」


あたしはつい、噂で聞いたことを口にしていた。


このままじゃ紗弓がかわいそうだ。


里奈みたいな人間に紗弓が負けてはいけない。


そう思ってのことだった。


「え?」


嘘か本当かわからない噂に紗弓は目を見開いた。


「ほら、あの見た目だからさ色目使って先生に言いよってるんだって」


「じゃ、推薦枠も?」


「わからないけど、その可能性はあるよね」


あたしは頷いて言った。


実際に里奈の性格面での評判は悪かった。


どんなことでも自分中心に考えて行動する。


だから人の彼氏も簡単に根取ってしまうのだ。


あながち、成績の話だって嘘ではないかもしれない。


「許せない」


紗弓が握りこぶしを作って怒りに震える。


日ごろから里奈へのうっぷんは蓄積していた。


1年生のころ大智を取られたことと、今回のこれが原因だったんだろう。


この時から、紗弓は変わった……。
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