南の島のクリスマス(十年目のラブレター)
「未来…」
「ん?」


「あの頃は楽しかったよな。何でもできたし、何でもできそうな気がしてた。」


「うん…。准は幼稚園の頃から泳ぐの好きだったよね。金槌(かなづち)のアタシを無理やり、海に引っ張って言ってさあ、海が怖かった私は泣きながら准によくひっぱりまわされてた。」


「まだ准はプロサーファーになるのが夢?」
「ああ…」


   少し話をしては他の音が包み込む。
    10年という時の壁は大きかった。

      そんな気がした。


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