南の島のクリスマス(十年目のラブレター)
「ここから港が見えるんですよ。」
![](https://www.berrys-cafe.jp/img/member/1189155/8tvhcd1pvx.jpg)
「ここからずっと見てたんだ…彼が島を出ていくのを。」
「はい…」
5年ぶりにお母さんと会ったからか…それとも高2の時の准の写真を見たからかは分からないけど…准が出て行った年のクリスマスのことを思い出した。
民宿から出てくる准を見た夜、お母さんの手伝いをしながら話していた。
ーー港の近くの民宿あるやん。
今日ね、そこから出てくる准を見たさ。
ーー准って…あの准?
ーーうん。
ーーなわけないさあ。だって准は…。
思い切り否定した後、言葉を濁したお母さん。
ーーなんでよ?!
なわけないってどういうこと?
だって准は何?
あの瞬間、時が止まり准がよく聴いていた宇多田ヒカルの『automatic』が流れた。
嫌なことがあった日も
君に会うと全部吹っ飛んじゃうよ
ーーだって…さあ…お父さんの
あんことがあるやない。
と誤魔化された感じはしたけど、そのことを言われるとそれ以上は何も言えない。
![](https://www.berrys-cafe.jp/img/member/1189155/8tvhcd1pvx.jpg)
「ここからずっと見てたんだ…彼が島を出ていくのを。」
「はい…」
5年ぶりにお母さんと会ったからか…それとも高2の時の准の写真を見たからかは分からないけど…准が出て行った年のクリスマスのことを思い出した。
民宿から出てくる准を見た夜、お母さんの手伝いをしながら話していた。
ーー港の近くの民宿あるやん。
今日ね、そこから出てくる准を見たさ。
ーー准って…あの准?
ーーうん。
ーーなわけないさあ。だって准は…。
思い切り否定した後、言葉を濁したお母さん。
ーーなんでよ?!
なわけないってどういうこと?
だって准は何?
あの瞬間、時が止まり准がよく聴いていた宇多田ヒカルの『automatic』が流れた。
嫌なことがあった日も
君に会うと全部吹っ飛んじゃうよ
ーーだって…さあ…お父さんの
あんことがあるやない。
と誤魔化された感じはしたけど、そのことを言われるとそれ以上は何も言えない。