南の島のクリスマス(十年目のラブレター)
それで近道をしようとそばの公園を抜けようとした時、ザッザッっという足音が近づいてくる気がした。後ろから聞こえたその足音が徐々に近づいてきて恐怖で脚《あし》がもつれそうになる。


   ーー何?
   ーー来ないでよ…


 それでも近づいてくる足音。急いでいるつもりでも恐怖で脚は進まない。それでも頑張って駆け出し木々を抜けて街灯がある方へ曲がった時、誰かにぶつかった。


     ーーキャッ…


その反動で後ろに倒れたアタシ。しかもその姿は後ろの街灯(がいとう)の灯りで顔は見えない。



      ーー何?


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