堕天使系兄の攻略方法。
今日はいい日だ。
とってもいい日。
空も晴れてるし、花粉もそこまで酷くない。
「あの、先輩は妹さんに会いに行かなくていいんですか…?」
それでもその人は立ち尽くしたまま。
その場を動こうともしなければ、ゴール地点に辿り着いたかのような落ち着き様だ。
「うん、もう会えたから」
「え…?」
きょとんと目を丸くさせる己、くすっと笑う菩薩。
「俺が今日から君のお兄ちゃんです」
・・・・・。
時間が止まるとはこういうことだろう。
言葉が出ないとはこういうことだろう。
開いた口が塞がらないとは、こういうことなのだ。
「今日から君達は2人兄妹だ。湊君、少し賑やかでうるさい娘だが仲良くしてやってほしい」
「もちろんです。兄としてしっかりお手本見せます」
「頼もしくて助かるなぁ。柚は勉強も駄目でいつまで経っても子供っぽいところがあるから、そう言ってもらえて嬉しいよ」
すっごい綺麗なお母さん、こんばんは初めまして。
そしてお父さん、余計なこと言うんじゃない。
そしてお兄ちゃん、自慢の兄過ぎて逆に申し訳なくなってますごめんなさい。