堕天使系兄の攻略方法。
「あれ?柚?まだ帰ってなかったのか?」
そんなことを考えてたら、本人からお出ましとは。
そいつは俺を見つけると「さっきはすみませんでした」とまた謝ってくる。
なんかそれがどこか腹立たしい。
「柚の知り合いなんだっけ?学校の友達とか?」
「あ、この人は───」
「もしかして彼氏?」
そうだよ彼氏だよ。
そう言ってしまおうかと思った。
「こ、この人は兄です…」
こいつ…。
別に間違ってないけど、でもなんかムカつく。
「どうも。今日は妹をフォローしてくれてありがとうございました」
張り付けた笑みを見せて、俺は柚の腕をクイッと引いた。
「なんだ兄貴か!良かったー」
「…よかった?」
「あぁ、てっきり彼氏かなーとか思ってたんで」