堕天使系兄の攻略方法。
知られざる過去
「火の元と戸締まりだけは気を付けるんだぞ!」
「2人とも喧嘩はしちゃ駄目よ。仲良くね」
もう、お父さんもお母さんもそれ何回目なの。
私達は高校生だよ?
小さい子供じゃないのに。
「それと柚!夏休みだからって浮かれてないで課題ちゃんとやるんだぞ」
「わかってるよー」
「俺がちゃんと見るから安心して父さん」
私がいつからかお母さんに対して敬語が取れたように、その人もお父さんに対して同じだった。
一緒に過ごしていれば敬語を使う方が面倒になって、自然と無くなっているものらしい。
そんな両親2人は今日から3日間、温泉旅行へと向かう。
まぁある意味新婚みたいなものだし?
子供の私達が居るからと遠慮させるのも嫌だった。
「気をつけてね~。お土産よっろしく~!」
「行ってらっしゃい。夫婦水入らずゆっくりしてきてよ」
手を振る私達に同じようにして、車は出発して行った。
いいなぁ~。温泉かぁ…。
美味しい料理食べて温泉街を歩いて、ゆっくりまったり出来るなんて羨ましい。
まぁでもいつも私達の為に頑張ってくれてるし、私も1人じゃないから寂しくない。
「柚、お前料理作れる?」