堕天使系兄の攻略方法。
「おいしー!!なにこれっ!こんなに美味しいの初めて食べたっ!!」
「…お前なら何出してもそう言いそうだよね」
「そんなことないよ!本当に美味しいよっ」
筍ご飯にお味噌汁、魚の煮付けにお浸し。
本当に本格的な和食を作ってしまったこの人…。
「あれはモテるわ…」と前に遥が呟いていたのを思い出した。
うん…こりゃモテるわ。
「洗い物は私がするね!」
「あぁ、お願い」
「あとお風呂はいつ入る?食べ終わったらすぐ?」
すると兄は向かい合う私をじっと見つめた。
特に見ていないながらも付けていたテレビの音が少し気になる。
「…なんかこれってさ、新婚みたいだよね」
「え…」
「そこはやっぱり“ご飯にする?お風呂にする?それとも私?”ってとこじゃないの?」
まぁご飯は結局俺が作ったんだけど───なんて言ってるけど。
私の耳にはそんなことは入っていなかった。
新婚……新婚っていうのは、結婚ってことだ。
結婚って…つまりその……。
「うわ、真っ赤」
「そ、そんな変なこと言うからっ!!」
「俺は客観的に言っただけだよ?勝手な想像したのは柚でしょ」
なんだろう、すっごく楽しい。
からかわれているのに楽しい。
私どこかおかしくなっちゃってる…?