堕天使系兄の攻略方法。
「柚…!!」
「お父さん…」
警察から話を聞いて、すぐに仕事を抜け出して来た父。
そして同じように息を切らせて走ってくる母。
「怖かったな、ごめんな、ごめんな柚…っ」
どうしてお父さんとお母さんが泣いてるの…?
パサリとかけられたブランケットは、私がいつも愛用しているものだ。
お母さんが持ってきてくれたらしい。
「ありがとうな湊っ、柚を助けてくれて…!」
「…俺はいいから柚を泣かせてやって」
ふわっと抱き締められる。
親というのは不思議だ。
何歳になっても、いつまでも経っても私を子供に戻してしまう。
幸い未遂で終わったけど、あのまま彼が来なかったらどうなっていただろう。
やっと今になって自分がどれだけ危ない場面に居たのかと感覚が戻って来た。
「うぁぁぁん…っ、おとうさんっ、怖かった…っ、怖かった…っ」
私は子供のようにわんわんと泣いた。