堕天使系兄の攻略方法。
「…こ、怖くない、」
カランッと、テーブル上に置かれたグラスの氷が溶けた音が響いたと同時。
私はゆっくりとその人の手へ重ねてみる。
「お兄ちゃんは、怖くない、」
「…ん」
優しい顔をして握り返してくれた。
そして私が反応するよりも先に軽々と身体は持ち上げられる。
「掴まってて」
「わっ、重いよっ!」
「手が折れちゃうかもー」
「だったら下ろしてっ!」
そう言ってるのに力が加えられるのはどうして。
それにこんなお姫様みたいな扱いは私には似合わないし、羽柴 湊にされてること自体が色々と駄目だ。
「うそ。軽すぎてお兄ちゃん心配」
そしてベッドへ、ゆっくりゆっくり下ろされた。